

機械によって「波長」が違うよね。波長の違いって皮膚に届く深さだけじゃないの?

波長が影響しているのは「皮膚に届く深さ」だけじゃないよ!「波長」は機械や治療を理解する上で重要!今回は「波長」について解説します。
波長は「電磁波(光)の長さ」
美容医療の機械であるレーザー・高周波・IPLは全て電磁波です。電磁波には波の性質があり、波の長さのことを「波長」といいます。

機械により波長が異なりますが、波長が違うと何が違うのでしょうか。
波長で押さえておきたいポイントは以下の2つです。
①深達度…皮膚に届く深さ
②吸光度…吸収されやすい物質が変わる
波長の違いにより皮膚に届く深さ(深達度)が違うのは想像しやすいですが、新人美容ナースが抜けがちなのが「吸光度」の違いです。

①深達度と②吸光度それぞれ解説していきます
①波長によって届く深さが変わる(深達度)
波長の長さが違うと皮膚に届く深さが変わります。
治療の目的、皮膚のどの深さにレーザーを届けたいかによって波長が変わります。
波長を理解する上えで、皮膚の解剖生理と繋がってきます。どこにシミ・アザ・毛根がどこにあるのかなどは皮膚の解剖生理を勉強しておけばイメージしやすいと思います。

シミ治療の場合、シミは比較的浅い層にできるため主に532nm(KTP:YAG)・694nm(ルビー)の波長を使います。シミより深い層である肝斑治療では1069nmを使用します。
脱毛の場合は755nm(アレキサンドライト)・800nm(ダイオード)・1069nm(ヤグ)の波長を使います。脱毛で狙いたい発毛組織は比較的深い所に存在しているため、シミ治療に比べると長い波長を使います。ヒゲやVIOなど深い部分にある毛にはヤグレーザー(1069nm)を使うなど、毛根の深さで波長を変る場合もあるかと思います。

図の右側1550nm以降は数字的にはすごく深くまで届きそうですが、水分への吸収率が高いという特徴がある為皮膚表面でレーザーが吸収され深くまで届きません。(皮膚のほとんど水分出できているため)
②波長によって吸収されやすい物質が変わる(吸光度)
波長の違いは皮膚の届く深さだけでなく、吸収されやすい物質が変わります。そのことを「吸光度」と言います。
メラニン・ヘモグロビン・水分がそれぞれ吸収されやすい光の波長があります。何をターゲットにするかで、効果的な波長か変わるということです。
それを表にしたものがあります↓


この表は美容ナースなら何度も見る表です!
メラニンの光吸収率
メラニンはどの波長が吸収率が良いのでしょうか。
表を見てみると…

🥇532nm(KTP)
🥈582nm(ダイ)
🥉694nm(ルビー)
④755nm(アレキサンドライト)
⑤800~900nm(ダイオード)
⑥1069nm(ヤグ)
の順で吸光度が高くなります。
表を見てもらうと波長が短い方がメラニンの吸光度が高いですよね。
メラニンの吸光度が1番高い532nmはシミ治療で良く使われます。ダイレーザーはメラニンの吸光度は2番目に高いですが、シミ治療では使われず赤みの治療に使われます。メラニンの吸光度も高いですが、同様にヘモグロビンの吸光度も高いからです。
逆に3番目に吸光度の高いルビーレーザーはダイレーザーよりメラニンの吸光度は低いですが、ヘモグロビンの吸光度がかなり低い為ヘモグロビンに邪魔されずより選択的にメラニンのみ破壊できる特徴があります。。
メラニンをターゲットにしたい治療の代表は「シミ」治療を代表するメラニン病変だけではありません。「毛(発毛組織)」をターゲットにしたい「脱毛」もです。
ただ脱毛の場合はシミに比べてもっと深い部分をターゲットにしているので755nm(アレキサンドライト)・800nm(ダイオード)・1069nm(ヤグ)の波長が主に使用されます。メラニンの吸光度だけでなく、光が届く深さ(深達度)も影響しているからです。

「深達度・吸光度・皮膚の解剖生理」を全部絡めて理解しましょう
ヘモグロビンの光吸収率
赤み(血管)治療でターゲットとなる「ヘモグロビン」はどの波長が吸光度が良く、効果的でしょうか。

表を見てみると…
🥇582nm(ダイ)
🥈532nm(KTP)
🥉1064nm(ヤグ)
④755nm(アレキサンドライト)
⑤694nm(ルビー)
の順で吸光度が高くなります。
ヘモグロビンの吸光度が1番高い582nmのダイレーザは血管(赤み)の治療で使用されます。ダイレーザの代表的な機械に「Vビーム」があります。
水分の光吸収率
炭酸ガスレーザーの波長(10600nm)とEr:YAGレーザーの波長(2940nm)は水分に高い吸収を示します。
皮膚のほとんどは水分でできるため、照射した皮膚が蒸散されるという特徴があります。これでホクロやイボを削ったり、フラクショナルレーザーとして毛穴やニキビ跡の治療に使用したりしています。
※ 蒸散 = 皮膚組織を加熱気化させて消失させること
深達度のところでも、お伝えしましたが1550nm・2940nm・10600nmの波長は水分の吸収率が高いため皮膚の浅い部分で吸収され深くに届きにくいという特徴があります。
波長による治療方法の違い一覧

それぞれの波長による主な治療を表にまとめてみました。

まとめ
波長と聞くと皮膚に届く深さ(深達度)をイメージしやすいですが、ターゲットにしているモノが「メラニン」なのか「ヘモグロビン」なのか「水分」なのかでそれぞれの波長の吸光度が異なります。
波長により①「深達度」②「吸光度」が異なるということは押さえておきたいポイントです️。
レーザー治療においては波長だけでなく他にも色々なことが影響するので複雑ですが「波長」というワードが出たら「深達度」「吸光度」について理解しておくとレーザーについて理解しやすくなります。
💡覚えておきたいポイント💡
・波長とは光の長さ
・治療目的によって波長は変わる
・波長が変わると光が届く深さが変わる
・メラニン・ヘモグロビン・水分がそれぞれ吸収されやすい光の波長がある
・メラニンは波長が短い方が吸光度が高い
・ヘモグロビンの吸光度が高いのはダイ(585nm)レーザー
・ルビーレーザーはヘモグロビンの吸光度が低い為、よりメラニンだけに反応できる
・長い波長は水分の吸光度が高い為、皮膚を蒸散することができる
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